黄色いマフラーは正義のしるし

補助輪付の二輪車を全速力でこいで事件現場に到着すると、すでにそこはあまりにも荒らされていて、それがいったい誰の遺失物なのか判断できる証拠など風の中に紛れ込んでしまっていた。

 

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私が到着したときは、すでに亮ちゃんはしゃがみこんだまましきりに頭をひねっていた。女たち二人組みはやんややんやとはやし立てていたが、亮ちゃんは黙ったままじいっと一点を見つめていた。

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そして、静かな口調でやがてつぶやいた。「におわない」。

「この、うんこが誰のものであるかということ以前に、このうんこは匂わない。」
それから、驚くべきことに彼はそのぐじゅぐじゅを両手でぐっとつかみ、彼女たちのほうに差し出しながら叫んだ。
「これは、土で作ったまがいものだ。」
「これを作ったのは君たちだろう」

彼女たちは、けらけらと笑い続けている。

「僕たちは、地球の平和を守るために忙しいんだ。いくら、僕らの勇姿を見たいからといって、嘘や、でっち上げはいけないことだよ。」
彼の顔は、硬直していた。

ともあれ、僕らの、最初で 実は最後の出動はこうして終わった。
次の日から幼稚園は、運動会の花笠踊りの練習で忙しくなったから、私も亮ちゃんも地球の平和より大切に思えることに熱中したのだった。

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今の向こう 空のかなた あきらめることなく あしたへ つ  づ  く。 

by 片山 眞